百合とメガネと大体駄文

ブログ名のとおりです

この百合作品がよかった2024

ごきげんよう。「このレズセックスがすごい!」改め、「この百合作品がよかった」のお時間です。 昨年にも増して百合を追いかける力がどんどん抜けております。

選定レギュレーション

  • 2024年に出版、公開された作品
  • 収録作の初公開日は考慮しない
  • シリーズ2巻以降は対象外
  • 同人誌は個人的な理由により対象外
    • 人にオススメしにくいかなって……
    • 非常に追いかけにくいので
    • 最近は読むようになったので来年以降は検討してもいいかもしれない

漫画編

去年よりも読めてないです。ごめんなさい。

トワ・エ・モア

冗談抜きに今年一番良かったと思います。 まず表紙を見てくださいよ。昨今の百合では見られない、少女漫画文脈タッチのイラストですよ。非常に嬉しい。
もちろん見掛け倒しでなく中身も少女漫画です。レーベルも別冊フレンドですし。
いわゆる女子校の王子な存在である聖羅と、どんなときでもフリルの付いた日傘を差すような少女らしさがある千草が出会うお話。
言うてしまえばガール・ミーツ・ガールなお話です。
「どうしたら自分のほうを向いてくれるんだろうか」という心理描写や、仲良くなる過程に出てくるセリフとか言い回しとかが繊細で美しいんですよね。
2010年代前半の、少女漫画の文脈から派生した百合作品が好きな人は絶対に好きだと思います。

試し読みはこちらから

palcy.jp

限界OLと女子大生が〇〇する話

タイトルの通り、限界OLと女子大生が〇〇する話です。
バリバリ仕事デキるけど家のことは全くできない瀬川さんと、女子大生の安藤さんが出会う話。
今まで仕事一筋で誰にも頼ったことのない瀬川さんが、安藤さんに甘えてどんどん惹かれているところが見どころです。

もちろんストーリーも面白いんですが、ページを捲った1コマ目に大きく描かれるキャラクターの表情が良いんですよね。身に刺さります。 ちなみに2巻完結です。さっき知って涙を流しております。

試し読みはこちらから

https://comic-walker.com/detail/KC_000099_S/episodes/KC_0000990000100011_E

追記

先ほど2巻を読み終わりました。
後書きによると元々1巻完結だった作品だそうです。
いや、2巻まで続いてくれて良かった……(手のひらクルクルオタク)

寿命をゆずる友だちの話

ギャルとギャルの漫画です。 他人の寿命が見えて、自分の寿命を他人にゆずることのできる能力を持ったヒカリ。そしてヒカリの友達であるミユキとのお話です。
ヒカリはバカなのですぐ他人に寿命をあげちゃいます。その寿命目当てに近づいてくる人ももちろんいます。
そんなヒカリを「お前の寿命はお前だけのモンだからな!」叱ってくれるのがミユキというわけです。
ギャルとギャルの「うちら一生ダチじゃん?」というノリをたくさん接種できる、大変いい作品でした。

試し読みはこちらから

https://comic-walker.com/detail/KC_002199_S

バカ女26時

旦那を殺した女と、その妻の逃避行です。
こういう作品がホントに好き。もはや手癖で選んでいる。
旦那を殺した女と妻の話になると中村珍の「羣青」なんかが脳裏にチラついてしまいます。
(実は未読だったので買いました)

殺人罪を背負って海外に高跳びする逃避行なんですけど、どこか2人とも楽しそうなんですよね。
罪を犯した事実を引きずっているとかではなく、もう人生を新たな土地でやり直そうという気概すら感じます。

マジで面白い社会人百合漫画なので多くの人に渡ってほしいです。

tonarinoyj.jp

副会長の主なお仕事

ビジュが爆発しているぶっ飛んだ女のコミカル漫画を描かれる逆縞先生の単行本。
品行方正で容姿端麗な副会長が生徒会長に奇行と言っていいレベルのちょっかいをかけ続ける漫画です。
これがちょっかいなのか愛なのかはわかりませんが、顔のいい女しか出てこないギャグ漫画として好きです。

https://comic-walker.com/detail/KC_006002_S?episodeType=first

私のブルーガーネット

人違いから始まった、片思いの相手の居場所を探す作品です。
転職活動に行き詰まり普通になることができなかった紺を、元カノだと勘違いして話しかけてしまった藍。
どこか行き詰まった雰囲気を出す藍のことがほっとけない紺は、どんどん藍に惹かれてしまいます。
元カノと藍、藍と紺。この三角関係の続きが楽しみです。元カノは見つかるのでしょうか……。

bsreader.hakusensha-e.net

幼馴染BIG LOVE

2024年はギャル年ですね。
小学校のときの転校がきっかけで別れちゃった、はるとこゆ。
高校入学がきっかけで、こゆと再会したはる。しかし、こゆはすっかりギャルになっていました。
高校生として再会するんですけど、二人の時間は少し止まったままなのがいいんですよね。
あと、はるがこゆのことを好き過ぎる。隙ありゃ褒めてる。
クール系女子のはるが、ギャルなこゆを褒めて照れさせているところがポイント高いです。

https://comic-walker.com/detail/KC_005886_S

まめとむぎ

シスターフッド寄りな作品です。
編集者での出世競争に負けて無職になった麦と、料理は上手なんだけど人付き合いが下手なマメのお話。
二人は手を組み、発酵料理をメインに出す居酒屋を始めることになります。
イメージするものは出していきたい。でもトータルバランスを考えると合ってないからと行って喧嘩します。
そして発酵料理から元気をもらって頑張っていこうぜという雰囲気の漫画です。
読んでいると、なにか背中を押してもらえるような作品だと思います。

comic-action.com

ドラマ編

今年はドラマがマジでアツかったです。
彗星のごとく現れた「チェイサーゲームW」を皮切りに、いろんなドラマが百合ジャンルに参入したのではないかと思います。
この記事は「彩香ちゃんは弘子先輩に恋してる」に関する記事です。
記事中に「日本にもガールズラブドラマ旋風が到来」や「チェイサーゲームWが爆発的な人気を得て〜」など言及があり、ガールズラブジャンルに踏み込んだ記事ができているのは非常に嬉しいです。
このままガールズラブドラマもどんどん新作が出てきてほしいものですね。

entamenext.com

今年見て良かったやつの感想をチャチャッと書いておきます。

チェイサーゲームW

彗星のごとく現れたドラマ。元々はチェイサーゲームというゲーム会社を舞台としたお仕事漫画です。
そのスピンオフとして急に女と女のドラマが始まりました。
中国からきたパワハラ上司の冬雨。実は日本側のチームリーダーである樹と付き合っていた過去があります。
付き合っていたのに樹のことをいがみ続ける冬雨。でも樹はまだ冬雨のことを他人とは見れなくて。

頼む、4話まで見てくれ。4話まででいいから。

www.tv-tokyo.co.jp

作りたい女と食べたい女シーズン2」

春日さんがニコニコになるたびに、私の顔面がグニャングニャンになるドラマ。
矢子さんや南雲さんといった新キャラクターも登場。
個人的に矢子さんのキャラがすごい好きなので、出てきて嬉しかったなぁと思います。
余談ですけど、NHKの夜ドラ枠で続編作られるの、作りたい女と食べたい女が初めてらしいです。嘘だろ。

www.nhk.jp

彩香ちゃんは弘子先輩に恋してる

え、あのSal Jiang先生の「彩香ちゃんは弘子先輩に恋してる」がドラマ化ですか???と三度見しました。
原作再現度が非常に高くて満足しました。
特に弘子先輩役を演じた森カンナさんが、弘子先輩そのまんまなんですよね。
めちゃめちゃイケ女っぷりを発揮してましたし、なにより表情の百面相っぷりがすごかった。
目の開き方とか、口元とかを巧みに動かすものだから「いや私どどど同様んなんかししてませせんけど」みたいな演技を平気でカマしてくる。
あと素がナチュラルにおもしろお姉さんです。

完結した百合漫画がドラマ化したってことは期待してもいいんですかね。「定時にあがれたら」のドラマ化を。

www.mbs.jp

チェイサーゲームW2

この前シーズン1やったばっかりですよね!?!?!?!!?
1月放送のドラマの続編を9月下旬にやるスピード感が異常すぎる。アジャイル開発?
「俺達が妄想していた幸せないつふゆってこれなんだよ」がつまりに詰まったドラマでした。

いつふゆファンミーティング2の方、楽しみにしています。またいつふゆエチュードがあってほしいですね。

www.tv-tokyo.co.jp

ベイビーわるきゅーれ エブリデイ!

あのベイビーわるきゅーれがドラマになりましたよ。びっくりだよ。
映画ベビわるのいいところって、ストーリーが薄くて、1見ないと2見れないとかじゃないんですよね。
そういう作品なのでドラマになるとどうなるものかと思っていましたが、普通に日常系ドラマです……。
日常系アニメと同じようなテンションで見ていました。

ちさまひの関係がどんどん強くなっていく姿がとても良かったです。

www.tv-tokyo.co.jp

きみの継ぐ香りは

原作を全く知らなかったのですが、私が好きなタイプのストーリーで大変うれしかったですね。
ざっくり説明すると、昔好きだった女が結婚してムシャクシャして知らない男との子どもを作った結果、子どもが連れてきた彼女の母が昔好きだった女だった。というお話です。
「あの頃とは違って私達はママ友なんだから」と割り切ろうとする親、自分の母の過去に詮索する子ども。
前半は悲恋、後半は家族愛をぶつけられたような気がしています。

s.mxtv.jp

小説編

これも百合小説の嗅覚が落ちています。悲しいです。

たぶん私たち一生最強

タイトルと表紙だけでもう面白い。安定と信頼のR-18文学賞出身の小林早代子さんの作品です。

「もう男とかどうでもいい、私はこの女4人で一生を添い遂げたいんだよ」と、ハイボールジョッキを煽りながら叫ぶところから始まります。
そんな酔っ払いの戯言から始まる女4人のシェアハウス生活です。
これがもうとにかく面白い。
4人だから最強だよねと言いつつも、個人での人生を考えると心細くなっちゃうところとか本当にそれらしいと思います。
百合かと言われると微妙ですけど、ガールズライフ方面にはとても面白い小説だと思います。

www.shinchosha.co.jp

懺悔

これは今まで読んでいなかったけどめちゃくちゃ良かった作品を紹介する懺悔のコーナーです。

小説

神に愛されていた

なんで今まで呼んでいなかったのでしょうか。しかもご出身がR-18文学賞ですよ。そりゃ面白いに決まっているじゃないですか。
高校の文芸部で天才と褒められ無事に作家デビューした女が、高校の後輩に嫉妬するお話です。
先輩編と後輩編で、同じ時間軸を共有しつつも視点が違うって作りがとてもよかったです。
あと私は巨大感情百合って言葉が大嫌い(使う側が的を得ていないと思うので)なのですが、巨大感情百合ってこの作品のためにある言葉なのだろうと思いました。
先輩と後輩の、憎しみと羨望のすれ違いを綺麗に描いた作品だと感じました。

最後に

今年はかなり手癖なチョイスが出たと思います。
来年こそは……の前に、書籍管理DBを作ることが早急だと思います。

余談ですがカドコミはOGリンクを頑張って欲しいです。

それでは皆様よいお年を。ごきげんよう