百合とメガネと大体駄文

ブログ名のとおりです

百合履歴書

ごきげんよう。ご無沙汰しております。
なんとなく名刺的にサクッと投げれる自分の百合のルーツとかそういうのあったらいいな〜って思ったので書きます。オタクが自分語りしてるだけです。
名刺的にサクッと〜とか言ったがオタクはすぐ自分語りするから長い

要約

主に触れた作品・影響を受けた作品
2012 7 ゆるゆり(二期)」を見る
女と女がキスしてるシーンに驚愕して百合というジャンルを知る
2012 9 初めて百合姫を買う
(惰性で百合姫を買い続ける)
2016 「なんか最近百合作品の供給の増え方エグくね?」と気づく
百合作品digに熱を入れ始める
2017 5 マリア様がみてる」を全巻読破する
2017 オタクに勧めされて中山可穂作品にハマる
2018 3 青い花」を読む
この辺りで自分の百合に対するアイデンティティが固まってくる
2018 5 リズと青い鳥」を見る
2018 11 やがて君になる 佐伯沙弥香について」を読む
2018 12 「ルミナス=ブルー」を読む
2019 4 「定時にあがれたら」を読む
2020 11 朗読劇「やがて君になる 佐伯沙弥香について」を見に行く
2021 3 「夢の国から目覚めても」を読む

百合にたどり着くまで

アニメを見始めたきっかけ

友人から「日常」というアニメを見せられて深夜アニメの存在を知りました。ギャグアニメとしてずっと見れるアニメで暇さえあれば見るくらいには当時良く見てました。
そこから「無駄に深夜まで起きて民放深夜アニメを見る」ということをやるようになり、とりあえず民放でやってる深夜アニメは片っ端から見てました。

ゆるゆりにぶち当たる

この調子で2012年の夏アニメも見るわけですが、ここで初めて「ゆるゆり」を知りました。 「日常」のようなギャグ路線でおもしろいな〜〜〜と見ていましたね。最初までは。

いつものように26時か27時まで起きて(田舎なのでこの時間じゃないとやってない)、ゆるゆりを見ていたわけですが、突然キャラクター同士がキスし始めたんですよ。

え?まって?何が起きてんの?こんな軽率に女と女がキスするもんなの?これって何?
と、当時の私は大変驚きました。

その後どういう覚え方を知りませんが「百合」というジャンルと出会いました。
当時は「女の子同士がいちゃついたり恋愛したるするジャンル」みたいな認識してたと思います。

百合というジャンルを知ってから

初めて百合姫を買った

多分ネットでゆるゆりのSSなんか読んでたような気がします。でもなんか違うな〜と思うところもあって、ちゃんとした百合を知ろうと思って百合姫を買いました。ここから沼への入り口です。

まず驚いたのは装丁ですね。当時なもり先生が表紙の連載やっていて、表紙がもう漫画の1ページ目になってるという仕掛け。
雑誌の表紙なのに特集やらの見出しが無いってすごいし、文学的なキャッチコピーが表紙と背表紙に書いていてすごい美しいと思いました。
作品も全部女の子同士で恋愛したり日常をすごしたり、耽美系からシリアス系、ギャグまで揃ってたんじゃないんでしょうか。

で、たまたま載ってた森島明子先生の「天使なカノジョ」がすごい刺さりました。
女の子が女の子に対して性欲をぶつける妄想をする日々を送るというモノローグから、友人になり、恋人になりと、すごい世界を見てしまったものだと思いました。

ちなみにこの作品は「女の子合わせ」という単行本に収録されています。面白いので是非。

天使なカノジョの続き読みたい!

と、次号の百合姫も買いました。2つ読み切りが性癖に刺さりました。

  • 沼、暗闇、夜の森

死人と喋ることを趣味としてるクラスで浮いてる黒田が、クラスで人気のある磯谷に片思いをしている話です。ある日帰り道で一人で帰る磯谷を見かけた日から、磯谷が黒田に話しかけ、親密になって磯谷にキスをされます。
しかし、心のどこかで「この磯谷は磯谷じゃない……」と疑う黒田が、磯谷が一人で帰っていたあの日のことを思い出します。
黒田は道端にあった金属ポールで磯谷を殴り殺したことを思い出します。そして死人となった磯谷と親密になったのです。という妄想をして日々を過ごす黒田。というお話です。

なんかもう世界観と叙述トリック的な仕掛けが上手いですし、磯谷を殺したと知ったときの黒田の心理描写がすごく丁寧で何度も読み倒しましたね。
百合作品収集に熱入れ始めて収録された単行本買ったときはちょっと嬉しかったです。

さかもと麻乃先生の「沼、暗闇、夜の森」という作品に収録されてます。

  • この愛の不幸は

自分が百合姫を現在まで買い続けるきっかけになった作品です。2013年1月号の百合姫に週力されていて、第八回百合姫コミック大賞 瑠璃賞受賞作品として載っていました。

問題児な双子の姉と、品行方正な双子の妹の話です。姉はなんでも物を壊す問題児として学校生活を過ごている一方、妹は生徒会も努めているような真面目な人です。
ある日、学校の備品が壊され、姉が悪いと教師一同姉を攻め立てますが、姉はやっていないと無実を表明します。姉を守る唯一の存在である保険医が調べたところ、備品を壊したのは妹だったそうです。
妹は幼少期から姉が好きすぎるあまり、衝動で物を壊す人格の持ち主でした。その妹を姉は今まで影でかばっており、自分がやってない破壊行為も自分がやったといい続けたのです。
この関係は良くないと思った姉は「もうこれで終わりにしよう」と妹に告げ、妹が壊したガラスの破片で自殺を試みたところで話が終わります。

こんな読まされて性癖ねじ曲がらないの無理があるでしょ。今もたまに読み返してたりします。その後ふじはら先生の存在を見てないのですが、今どういう作品作られてるんでしょうね。

本当にいい作品なのに書籍化してなくてどうしようもなくなってる。国立国会図書館に行って読んで欲しい。

空白の時期

百合姫が2014年あたりから雑誌の方向性を変えてきまして、今まで金文体で「百合姫」って書いていたのがポップな丸字で書かれた「ゆりひめ」に変わりました。
なんか自分が好きだった百合姫じゃないんだよなぁと思いつつも、読み切りで大当たりを引いた過去が忘れられず、惰性で百合姫を読んでました。 百合姫以外の百合は?と言われると、桜Trickとか、きんいろモザイクとかNEW GAMEとか読んでました。多分。

突然百合の勢いを感じだす

2016年半ばくらいから、なんか急に百合とジャンル付された作品を多く見るようになったなと感じました。(初代ラブライブNHKでの放送とかが関係しているんでしょうか?)

とにかく書店でもTwitterでも百合って言われてる作品を見る機会がすごい増えました。
ちょうど百合姫の月刊化と時期が重なったのもあり、百合が過剰供給になりました。

この時まで割と受け身で百合姫を買って読んでたので「このまま新しい作品だけ触ってるだけじゃマズいし、もっと百合と言われてる作品を読みたい」と思うようになりました。

百合を読む

本腰入れて百合を読むか〜〜〜〜と色んな作品に手を出しました。
ここで触れてる作品以外にも中古の漫画集めてました。
森永みるく先生の作品とか、百乃モト先生の作品とか、森島明子先生の作品とか、西UKO先生の作品とか。

マリア様がみてる

まぁまずはここですよね。百合作品に触れてるとはいえ「マリア様がみてる」未読は流石に百合エアプかなと。何故か市立図書館に全館在庫があったので、圧倒的通学時間を利用して1日1冊ペースで読んでました。

やっぱり2000年代の百合を築いた作品ですし、ミッションスクールもの=百合みたいな概念を根付かせた作品だけあってすごい面白かったですね。
ロサ・カニーナ聖さま久保栞の二人だけの世界に逃亡するストーリーは面白かったし、志摩子乃梨子がスールになる過程は複雑な環境を乗り越えたからこそできる関係ですし、祥子お姉さまの生活感は本当の金持ちだなと思いました。
特に2度めのバレンタインのカード探しで志摩子が「乃梨子のカードを探したかったのに」というシーンは小説で読むことでしか得られない何かがあると思います。

中山可穂作品

通学時間に本を読むことを覚えたので、その流れで百合小説を調べ始めました。
オタクになんかいい百合小説ない?と聞いたら「深爪」をおすすめされました。 小説というフィールドで女と女が家庭を滅ぼすような激しい恋愛をして最後にはふたりともボロボロになるものが読めてすごい良かったです。

これも何故か図書館にいろいろあったので借りてきたり、古本屋で買ったりして色々読みました。 個人的に「感情教育」「白い薔薇の淵まで」「マラケシュ心中」「愛の国」が好きです。

最近「白い薔薇の淵まで」が河出書房から文庫が復刊したので手に取りやすいかと思います。
ダークな作品が好きな人は読んでくれたら嬉しいです。

青い花

これもゆるゆりにぶち当たった頃から作品の名前は聞いていた作品。マリみてと一緒に名前を聞くことが多かったので、マリみてと合わせて百合の二大巨頭だと勝手に思っています。

すごく丁寧に描かれた作品でしたね。
好きという感情は何なのか、恋愛とは何なのか、人付き合いとは。という感じで、いろんなキャラクターがでてきては様々な人間関係のあり方を描きつつ、あーちゃんとふみちゃんが周りの人にも影響されつつ関係が深まっていくストーリーが突き刺さりました。

アイデンティティが固まる

マリア様がみてる青い花感情教育・白い薔薇の淵まで・その他百合漫画に触れてきて、なんとなく自分が好きな作品の傾向を掴んだ気がします。

触れた作品に偏りもありますが、エロコメとかギャグよりも女の子と女の子が恋する様子を丁寧に描いていたり、好きという感情に対してキャラが思い悩む作品のほうが好きです。

アイデンティティが固まってから

表紙や帯で取捨選択するようになったので割と偏った百合ばっか摂取してます。
自分に合うかどうか分からない作品を見つけたら買ってから考えるようにしてます。

リズと青い鳥

Twitterで百合オタクがことごとくボコボコされていったのを見て見に行きました。 自分もやられました。

いや、リズと青い鳥ってなんでこんな面白いんですかね……。どれだけ希美とみぞれの関係を考えても正解にたどり着かない気がして仕方がないんですよ。
この後響けユーフォニアムシリーズ全巻揃えて読みましたけど、どうやっても希美とみぞれの関係が分からないです。

後日談?となる「飛び立つ君の背を見上げる」も読みましたけど尚更わからないです。助けて欲しい。

やがて君になる 佐伯沙弥香について

2018年といえばリズと青い鳥もですけど、citrusのアニメ化・やがて君になるのアニメ化・あさがおと加瀬さんの映画化と、百合作品の映像化が激しい1年でした。

やがて君になる自体は2017年くらいに知って面白いな〜と読んではいました。
でも1巻から知ってたわけでもないし、そんな熱意入れて推すのもどうかなと。
そんなアニメ放送中に新刊として、入間人間が書いた小説が出るって何事って感じですよ。

これはなにか意味があると思い、慌てて小説を買って次話放送前までに読みました。 今まで完全に当て馬だった佐伯沙弥香という女がすごい過去を背負った上にすごい片想いしてるヤベェ女だったと改めて知るわけですよ。原作でも触れてるシーンはあったけどもどうしても拭いきれない当て馬のサイドストーリーが小説で綺麗に消化してくれました。
そして発売後の最新話を見たら佐伯沙弥香の過去の話やってるじゃないですか。
なんかもうボロボロにやられましたよね。

やがて君になるを見て「結局佐伯沙弥香って陰湿なレズだろ」って思ってる人は頼むから「やがて君になる 佐伯沙弥香について」を読んで欲しい。やが君で唯一小説になったキャラクターやぞ。

ルミナス=ブルー

自分が今まで読んだ漫画の中で1位2位を争うくらいに好きな作品です。
作者の岩見樹代子先生が百合姫で短期集中連載していた「透明な薄い水色に」という作品があるのですが、これを読んでから完全にファンになりました。

岩見先生の作品はとにかく作画がすごくて、液体を使った描写とキャラの体の柔らかさが伝わってくる曲線を描くのが上手いんですよ。 作画だけでなく、ストーリーの構成も起承転結がしっかりしていますし、1話でしっかり話を展開しつつ読者にミスリード起こさせた上に次回へつなげていくスタイルは唯一無二だと思います。

そんな好きな作家さんのルミナス=ブルーという連載が決まったので取り憑かれたように読んでました。
今までの百合では見なかった、元カノ同士の関係と、その関係を再構築をしながら四角関係を起こすストーリーが革新的でしたね。
本当に好きな作品でしたし、今後の展開がどうなるか楽しみに読んでいたのにも関わらず打ち切りにした出版社を未だに許してません。

今岩見先生がおおよそ1~2年ぶりに「今日はカノジョがいないから」という作品を連載再開しています。
ルミナス=ブルー描いてた頃よりも作画とストーリーがパワーアップしてるし、ディティールの細かさがすごい作品です。
是非読んで欲しい。

定時にあがれたら

2018年の百合ブームの影響か祥伝社のマンガJAMから連載が始まりました。
単行本化前にどこかで1話2話を読んだのですが、どこかほんわかした絵柄に対して主人公の些細な心情の変化が絵柄とモノローグからすごい伝わってくるんですよ。
しかも1話のテーマが「仕事中はほとんど話さないんだけどコートのポケットに付箋いれてやりとりする」というもので、秘密裏に仲良くなってる関係がいいんですよ。
大人が付箋1枚で一喜一憂してるの可愛過ぎやしませんか? この作品の影響で社会人百合沼に蹴落とされました。

朗読劇「やがて君になる 佐伯沙弥香について」

「コロナでやがて君になるの舞台やれないから朗読劇やります!」と言われて大変驚きました。
やがて君になる 佐伯沙弥香についてという作品が大好きなので初めて朗読劇を見に行きました。
原作忠実にやるし、朗読劇という割にはキャラクター動き回っていて「朗読劇とは?」とお見ました。
本来ならキャラ同士が密着するであろうシーンはキャラ同士を引き離す羽目になるんですが、そこを逆手に取り、本来は観客が見ることができない役者さんの正面から見た表情を見せつけた演出はやられました。

呼吸を忘れて途中から頭痛くなるほど魅せられた朗読劇でした。再演か続編を心よりお待ち申し上げております。

夢の国から目覚めても

コールミー・バイ・ノーネームを出した星海社FICTIONから出た作品です。
星海社FICTIONレーベルといえば栞の紐にレーベルロゴを印刷していたりと書籍装丁オタクとしては頑張ってほしいレーベルです。

百合同人サークルやってる社会人の由香と、大学院生の有希の話です。有希が由香に長年片思いしているのですが、由香は気づいた素振りもせずに「リアルの百合なんてねぇ」みたいなことを即売会の打ち上げで口走ってしまいます。
ある日、他の同人仲間の女の子と遊ぶことになった有希は女の子を家に招きます。するとその女の子に押し倒されてしまい、その光景を由香に見られてしまいます。
有希は「私は由香が好きなの!レズビアンなの!」と由香に告白し、家を飛び出ます。
しばらくすると由香が泣きながら探しに来て、「わからないよ……どうして恋人を一番好きにならきゃいけないの? ヘテロの女の子は女の子を好きになっちゃいけないの? 私達そういう話たくさん描いてきたじゃん」と言い、二人は和解します。 後半は「百合って誰のためのものなんだろう」という漠然とした疑問をキャラが考えます。そしてキャラなりに答えを導き出し、新しい同人サークルとして彼女たちの生活がスタートします。

後半の百合に対する捉え方とかをやる作品って見たことなかったですし、近年の「百合ってエンターテイメントだし同性愛者としてカムするシーンはいらないでしょ」という考え方が書かれていたりと、百合の捉え方を書かれた本としても興味深い作品でした。

帯の文句が割と喧嘩売られてる感じしますけど、すごく丁寧にお互いが恋愛とか百合とかについて考えて行動してる作品です。よろしくお願いします。

おわりに

触り始めは8〜9年前だけれど、実は作品をちゃんと読みだしたのって最近なんだなと改めて思いました。
百合に対する考えとか価値観とかの影響を受けた作品は過去のほうが多いってこともわかりました。

心理描写!丁寧なストーリー!求めているのはこれだ!!!!って考えが強いですし、2018年の百合にメインストリーム握ってたような作品が好きですし、今後の百合に対応できるか怪しくて不安になってます。

余談ですが自分が過去に読んだ漫画作品はここに載ってます。 オタクの読書歴みたい狂人は見てください。