百合とメガネと大体駄文

ブログ名のとおりです

ルミナス=ブルーの魅力を探るためにルミナス=ブルーをフーリエ解析をする。

ごきげんよう

ついに!ついにですよ!!首を5億光年くらい長くして待ってたルミナス=ブルーが

単行本になりました〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!

嬉しい!!!超嬉しい!!!!!

 

岩見樹代子先生の作品はどれを見てもイラストが繊細な上に、話の構成がスッキリ綺麗で、今までに見てこなかったタイプの百合感を叩きつけて来るので大好きなんですよ。

ルミナス=ブルーの1話を読んで、まさかの主人公が恋愛としていきなり絡まずに観測者となり、観測対象が元カノ同士という関係を見た時は「そういうのがあったのかあああああああああ!!!!!」と発狂して、百合に対する理解がまだまだすぎて2日くらい落ち込みました。

 

さて、本題へ戻りましょう。とにかく私はルミナス=ブルーが大好きです。しかし、その魅力を伝えるための語彙力とか説明力を持ち合わせていないのです。

でもルミナス=ブルーの魅力を伝えたい!!そして魅力とか特徴があるならそれを解析したい!!

 

というわけで、みんな大好きなフーリエ変換を使ってルミナス=ブルーについて考察していきましょう。

 

ちなみにこれから意味不明な白黒画像とキーワードがたくさん出てきます。ここでの意味をざっくり説明しておきます。

 

フーリエ変換:画像をスペクトル図に変換すること

フーリエ変換:スペクトル図を画像に変換すること

暗い部分:強度が弱い

明るい部分:強度が強い

画像の中心:周波数が低い

画像の縁:周波数が高い

 

具体的に気になる人はこの辺を見ておいてください。

 

https://www.slideshare.net/ginrou799/ss-46355460

54ページらへんからがわかりやすい。

 

http://www.robots.ox.ac.uk/~az/lectures/ia/lect2.pdf

めっちゃ英語だけどサンプルがいっぱい乗っててわかりやすい。はず。

 

使うもの

・Image J(フーリエ変換に使うツール)

・ルミナス=ブルー

 

表紙画像

手始めに表紙からいきましょう。カメラのレンズの反射に女の子を書き込んでいるあたり岩見先生節がよく効いていますね。好き。

カメラの反射に女の子が書き込まれているということは、観測者を撮影しているように見えていますが、そのレンズは女の子を捉えています。なので「女の子同士を撮影している女の子」をこちらは観測していますが、相手からはおそらく観測されてないので安全です。しかし、カメラを所有している女の子がこちら、あるいは観測対象となっている女の子たちを見ています。これは不安定ですね。

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さてこいつをフーリエ変換します。

 

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これがフーリエ変換したあとのスペクトル図です。テストに出るので覚えておきましょう。

いやぁ美しいですね。これを逆フーリエ変換するとさっきの表紙の画像が出てきます。

 

 

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これは本編と全く関係のない画像と、そのスペクトル図なんですが、フーリエ変換するとこのようなノイズ調なスペクトルが出るのが一般的です。

それが微塵もなく、また一定間隔で同じ模様が出ている辺りがとても気持ちいいですね。

 

 

1話扉絵

さて次に扉絵です。今これを見返すと寧々は元から光に好意を抱いたのでは?とも思えるなんとも伏線チックなイラストですね。その後ろに雨音が少し不満げに寧々を見てる辺り不穏さが伝わってきます。そしてこれを切り取るかのように書かれた写真の枠線。我々はたかが観測者であるが、されど観測者であることを思い出させてくれます。

百合は常に量子もつれが起きているので、観測の有無は大事です。

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同様にフーリエ変換しましょう。

 

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先程とは異なって全体的に回転したようなスペクトルが出ました。

この強度が強い線が、どのような部分を表してるのが気になったので、このスペクトルを削除し、逆フーリエ変換してみました。

 

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少しだけ枠線がボケ気味になったかと思います。

 

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左:フーリエ変換前の画像

右:フーリエ変換後、斜めに放射状に出ているスペクトルを削除し、逆フーリエ変換した画像

 

拡大して見るとよくわかりますね。おそらくこの写真の枠が影響してそうですね。

 

色んな所にハチャメチャに怒られそうですが、枠を頑張って適当にぼかした画像を用意し、これをフーリエ変換してみましょう。

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左:枠をぼかした画像

右:左の画像をフーリエ変換した図

 

先程の特徴的なスペクトルが消えました。予想通り枠が大きく関与してましたね。

 

1話本編

そろそろカラー画像とセリフのなさに飽きてきましたね。

ここでは本編をいろいろフーリエ変換していきましょう。

 

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先程の表紙、扉絵とは異なり、スペクトルの出方が似てきました。

特に各象限の中央付近に強度が強い物が出ていますね。

 ここで例として1枚目の画像から強度がある程度強いものを消し、逆フーリエ変換を行いましょう。

 

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あまり大きな変化は見られませんが、拡大すると次のような変化が起きました。

 

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左:元画像

右:スペクトル削除後の逆フーリエ変換結果

 

若干ですがトーンの模様が変わりました。おそらくこの4枚すべてに出ているスペクトルはトーンが影響してそうですね。

というかこれかなり拡大してる画像なんですけど、描き込みエグくない?

岩見先生細かいところまで描きすぎでは?

細かいところ描きすぎて腱鞘炎になってないか心配になってきました。

 

 

セリフの吹き出しがあるとある程度スペクトルが変わるのではないのかと思い、セリフがあるものと無いものをを抜き出したのですが、あまり大差は無いですね。

強いて言うならば中央から放射状に出ているスペクトルの向きが違うように見えますが、先程の扉絵の例より、コマ割りの線が強く影響していると私は予想します。気になる人はフーリエ変換してスペクトル図をいじってみましょう。

 

これらをふまえて

さて、今まで6枚の画像と、そのスペクトル図を見ました。

 

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どれが表紙の画像だかもちろんわかりますね。簡単です。

これらをよく見ると、左上から右下への対角線上に十字、あるいは正方形の形をした模様がすべての画像にあるのが特徴的ですね。

さて、この模様は岩見先生の画だから出るものなのでしょうか、それとも他の漫画に出るものなのでしょうか。

検証していきましょう。

 

比較対象にはこの作品を使いたいと思います。

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個人的な「このレズセックスがすごい!2018」最優秀賞を受賞した、ななつ藤先生作「君は少女」です。

レズレイプだとか!!!エロ漫画一歩手前だとか言われてるけど!!!!!この作品はそんなもんじゃねえんだよ!!!!少女が大人の階段を登り、女性へと变化する姿を描いてるんだよ!!!!!えっちって感情で片付けてんじゃねえぞ!!!!!!!!!!!

とにかく成長という変化を繊細に描いているので読みましょう。最近Amazonの在庫も復活したようなので、在庫消滅させる勢いでポチリましょう。

 

閑話休題。これをフーリエ変換しましょう。

 

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今までに見られなかった円環状のスペクトルが発生しました。これは驚きです。

円環状のスペクトルが出るということは、元画像が円環状のなにかであることが多いのですが、どこに円環状のものがあったのでしょうか。私、気になります。

 

同様に作中のページもフーリエ変換しましょう。

 

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やはりスペクトルはルミナス=ブルーのスペクトルと似たスペクトル図になっていますね。各象限の中央付近に出ているスペクトルはトーンに対しての影響力を持っていることがわかりました。

 

そして肝心の議論点です。

 

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示したかった部分を赤丸で囲みました。

ルミナス=ブルーの場合、カラー画像(中央上下2枚)では十字型のスペクトルが左上から右下へ向けたスペクトルが発生。

モノクロ画像(右端、左端の上下4枚)では正方形の頂点をプロットしたようなスペクトルが発生します。

 

君は少女の作中のスペクトルを比較すると、ルミナス=ブルー同様に4点のスペクトルは発生するが、画像の対角線上の部分が特に強く、対角線とは垂直に位置している点では、あまり強いスペクトルが発生してません。

他にも、おそらくトーンが一番影響を及ぼしている各象限の中央付近に見えるスペクトルがルミナス=ブルーの場合1点でありますが、君は少女の場合は2点存在しています。

この辺りのスペクトルの違いがおそらくルミナス=ブルーの魅力を支えている部分であると思います。

 

まとめ

人生で初めて2次元フーリエ変換をやったので、あまりスペクトル図の見方はよく分かっていなのですが、いろいろこなすにつれて見方が分かってきた気がします。

さて、ここで比較をした結果などをまとめます。

 

・ルミナス=ブルーのカラーイラストはフーリエ変換すると十字型のスペクトルが発生する。

・本編のページをフーリエ変換するとトーンが一番影響している考えられるスペクトルが複数点ではなく1点で出る。

・画像の端の方では正方形の頂点のようなスペクトルが出る。そして各点のスペクトルの強度の差はあまり大きく無い。

吹き出しの大きさによる白領域の有無に対しては、大きくスペクトルが変わることがない。

 

以上より、この4点がスペクトル図で発生するところがルミナス=ブルーの魅力となる因子なのかもしれませんね。

 

比較対象作品が1作品と少なく、ルミナス=ブルーと絵柄が近いものの場合や、遠い場合のものを比較していないので、このまとめは完全ではないですが、これらが得られました。

今後はルミナス=ブルーを片っ端からフーリエ変換したものを使い、ニューラルネットワークを作成すると、ルミナス=ブルーに似たものを作ってくれるAIを作れたりするのでしょうかね?

 

にしても本編のストーリー内容とかに一切触れずにやってきてますけど魅力伝わってますかね?

フーリエ変換後のスペクトル図が綺麗なのでタダモノじゃないってことだけは分かってもらえたと思います。

みんなもルミナス=ブルーを読んでタダモノじゃない感情とストーリー展開を味わおうな!

 

おわり