百合紅というボードゲームを買った話
百合とメガネと大体駄文
とかいうタイトルしてるくせに、未だに百合関係の記事がないのは悲しいことである。
理由の一つに
・自分みたいな人が百合作品をレビューしていいのだろうか
というのがある。
人それぞれ好みが違うし、大体メジャーな作品紹介して終わりになりそうだし……とか考えていると、どうも気が引けてしまう。
まあどうでもいい前置きはこれくらいにして置いて本題へ入ろう。
ちなみにこの記事、5000字くらいあるんで結構長いっす。
百合紅とは
百合紅(ゆりくれ)とは同人のボードゲームである。
ここから買える。
コンセプトは「女の子を導く空気になって女の子同士を結びつける」というものである。
……このゲームこの時点で面白すぎない??
プレイヤーが女の子になってアプローチ仕掛けていくとか、そんなゲームかと思ったら
自分は空気になって女の子を結びつける役になるゲームだそう。
そしてこのゲーム、ルールブックの時点でかなりパワーワードが飛び交う。
とりあえずやってみた
はじめに
ルールブック読むと
女の子たちは、ある学園に入学した1年生。9つの学期を過ごす間に、変化していく人間関係を見守りましょう。
とある。
そして次にキャラクターを見てみよう。
と、こんな感じで7人のキャラがいて、裏にはキャラの設定がかいてある。
ここまでで気づいたことが1つある。
キャラ設定がかなり曖昧なのである。身長はおろか、どういう性格が好きだとか、趣味とかも書いてないのである。
舞台設定も曖昧で、1年生が9学期間過ごすと書いてあるだけだ。
つまり後から盛り放題なのである。
1年間が3学期制である可能性も、2学期制である可能性もある。中学校だろうが高校だろうが専門学校だろうがなんでもありなのである。何年生で卒業なんて話もないので
最悪1年1学期制にして9年間の小中一貫校とか、中高と大学(専門学校のほうがいいかも)とかにして、エスカレーター式の学校にしてしまうのも大いにアリだ。
初期条件の設定
再びルールブックを開こう。
初期カップル、初期好感度の決定
ゲーム開始時点に以下の女の子組を決めます。 (以下要約)
1.カップルになっている女の子組 1組
2.好感度2の女の子組 1組
3.好感度1の女の子組 2組
ただし、2と3の重複は認めないが、1と2,3の重複は認める。
このキャラクター達は1年生なわけですよ。しかも入学したての。
そいでもって1年生の1学期という時点でカップルが成立しているんですよ??
もうレズの巣窟じゃないですかこれ。
そしてルールの一番最後に書いてある文章。
これ一番厄介で、要するにペアを4組作れって話なんですけど、
このゲームキャラが7人しかいないんですよ。
つまり、どうあがいても1人は重複させないといけないんですよ。
もうね、1年生の1学期からお前ら何やってんだって話ですよ。
そんなこと言っててもこのゲームは始まらないので、とりあえず初期カップルと初期好感度を設定しました。
一応補足として、赤と黒がカップル、紫と緑が好感度2、空と黄が好感度1、赤と白が好感度1です。
別に好感度がカップルと重複しても問題はないので、設定のやりようでは「カップルとしての相手はいるんだけども、好感度2の女の子がもう一人居る二股女」とかも出来上がるわけですよ。闇が深い。
プレイヤーのターン
プレイヤーはこの盤面をみて「推しカプ5組決めてね♡」とか言われるわけですよ。
無理じゃん……
出来るわけないじゃんそんなこと……
3組のカプ作るのも大変そうな盤面で5組も作れと。
無理じゃん……(2回目)
とは言ってもゲームが進まない(2回目)ので、盤面をみて決めるも良し、自分の性癖に従って決めるも良しで5組作ります。
そしてそのカプの支援点(いわば推し度合い)を1から5の5段階(重複なし)で決めるんですよ。
無理じゃん……(3回目)
平和に百合百合して欲しいおじさんからするともう心がしんどいわけですよ。
でも、決めないとゲームが進まないので(3回目)なんとか心苦しい推しカプと推し度合いを決めた後、キャラ別にコントロール点を計算します。
例えば
「赤と紫」に支援点5点
「緑と紫」に支援点2点
を入れているとすると
赤のコントロール点は5点、
緑のコントロール点は2点、
紫のコントロール点は7点と、色別に支援点を合計します。
また、この支援点は3ターン目終了時に1点、6ターン目終了時に合計3点追加(ある女の子組に2点、別の女の子組に1点とかも可)できます。これにあわせてコントロール点も上昇します。
ゲームスタート
やっとゲームが始まりますよ。
まず、こんな感じにコントロール点表示ボードにキャラを並べます。
そして左側の女の子から順にターンを進めます。
この場合だと、赤からスタート。白→紫→緑→黒……という順で進めます。
プレイヤーは自分が持っているコントロール点を超えない範囲で任意のタイミングで公開します。
例えばプレイヤーAがコントロール点4点、プレイヤーBがコントロール3点を持っていたとして
A「2点公開します」
B「じゃあ私3点公開します」
みたいな感じ。
そして、一番点数の高い人がコントロール権を持って、次の事が出来ます。
・アプローチ
・告白
・駆け引き
何もしないという選択も可能。
アプローチは好きなカップルの間の好感度を上げることができます。
告白は成功するとカップルになります。
この告白が割りと面白くて「私とここをカップルにしたいです」と宣言したら、相手のキャラのコントロール権を持った人がカップルを認める、認めないの選択権があるんですよ。
認めないと言われてもダイスチャレンジでカップルになれる可能性もあります。
A「娘さんをください!!」
B「嫌じゃ!!」
A「うるせーダイスじゃ(サイコロポイー)」
A「ッシャ!!カップル成立!!」
みたいなことがあります。
ちなみにコントロール点を公開するタイミングは自由なので、ここでBが他のキャラにアプローチとかをしようとしている最中に
A「ちょっと待ったあああああ!!!!! 4点公開するぞオラァ!!」
と言って、「こいつは思い通りにさせへんで!!」とアニメの中ボスみたいな感じでコントロール権を奪って他のキャラへのアプローチを止めて、別のキャラにアプローチしたりすることも出来ます。
そんな感じのことをキャラ7人分行います。
すごいどうでもいいんですけど、このコントロール点表示ボードの繋ぎ目がめっちゃオシャレなんですよ。
裏面には、放課後の誰もいない教室で夕日に包まれながらキスをする女の子のイラストが……
尊い……
カップルの処理
期末試験も終わり、いつもの日常が舞い戻ってきた学園。
これから長期休暇までのもどかしい日々を過ごしている間、私達は一体なんて平和ボケしていたのだろう――
この見出しをみて首をかしげた人も居ると思うんですよ。まぁまぁパワーワードですし。
なんとこのゲームですね
カップルがダイスで破局するんですよ
あまり記事では触れないんですけど、好感度とば別に不満度というものがあって(ちなみに好感度3,不満度2は好感度1とは処理されずに別々に存在する)、これがある程度貯まると、カップルが破局しやすくなるんですよ。
なので、どんなに好感度で徳を積んでいても、他のプレイヤーによる妨害が激しすぎると、不満度がどんどん溜まって破局するんですよ。
(ダイスの出目)-(不満度)が0以下だと破局、1,2だと不満度+1、3以上だと何も起こらないと、なんとも恐ろしいゲームなのである。
「そろそろ長期休みですわね」
「そうね……」
「休みのご予定はなにかありまして?」
「いえ、特にはないのだけれど……」
「それなら私の別荘にいらっしゃらない?軽井沢にあるのだけれども、涼しくて過ごしやすい場所ですわ」
「お誘いは嬉しいのだけれども、ちょっと話があるの」
「話って一体なんですの?」
「私達、もうこれでお別れにしないかしら……」
なんてことが平気で起きてしまうのだ。
1〜2学期間という短い時間で好感度積んで告白したかと思うと、ダイスによってその関係は引き裂かれる。
なんということでしょう……
誓いのキス
またパワーワードが出てきましたね。驚きもしなくなってきているけども、誓いのキスというターンがあります。
カップルの処理でなんとか生き延びたカップルたちが誓いのキスを行います。
これも成功か失敗はダイスで決まります。
さっきの衝撃が大きすぎて対して驚かないですよね。
これ割りと成功しやすくて、成功条件が(ダイスの出目)+(好感度)-(不満度)で4以上だと成功になります。
なので、好感度をある程度積んでおくとそう簡単には失敗しません。
そして成功するとカップルマーカーを「誓いのキス成功状態」にします。(といってもカップルを示すマーカーを裏返すだけ)
ちなみにこのゲーム、誓いのキスが2回起こるとゲーム終了です。
なので、誓いのキスが成功するとリーチがかかったようなもんですよ。
あとは繰り返し
これで1ターンが終了です。
あとはコントロール権握って女の子アプローチして――
の繰り返しです。
誓いのキス成功状態のカップルにもカップル継続処理があるわけで、プレイヤーによる妨害があればダイス以前に一瞬で別れます。
勝敗判定
最終的に9ターン以内にカップルが成立して、誓いのキスを2回連続で成功したらこのゲームは終わりです。
そして最終的に、そのカップルの支援点が最も高かった人が優勝です。(細かいルールはルールブック見てください)
遊んでみた感想
純粋に面白い
これ普通に面白いですし、意外と考える要素もあるので楽しいです。
カップルを組んだ時に支援点を極振りして、プレイヤー3人なのに2人が盤面牛耳るとかありましたし、私は1回全てのキャラにおいてコントロールを失ったこともあります。
でも、結局勝敗は支援点で決まるので「これ競馬やんけ」とかいいながら盤面をぼーっと眺めている回もありました。
あとこれ意外と初期カップルと好感度を配置する際のキャラの配置が重要で、人間あまり配置の遠いキャラのカプを考えないんですよね。
なんで結構中央とかにいると好感度集中砲火で、カップル出来ると不満度がマッハで貯まって(カップルが、非カップル間とのキャラで好感度が上がると、カップル間で不満度が上がるシステム)1学期間で破局したかと思うと別の人とカップルになってたりとなかなか不毛なことが起きますよ。
でも物足りない……
いや、普通に面白いんですよ。このゲーム。でもね、百合をテーマに扱っているのに、カプ論争とかが起きなかったんですよね。プレイヤーが百合沼に落ちてない人だったのもあるんですけど。(でも楽しかったよ!! 一緒に遊んでくれてありがと!! またやるぞ!!)
自称百合ガイジとしては、「は???? お前常識的に考えてこいつクールビューティーな見た目な上にバリタチだし、好感度が集中するのは仕方ねえだろ」とか「お前この期に及んでそことそこ結ぶ?? アホか??」とか「なーんでこことカップルできてるのに、別の所からアプローチしてくるかなぁ……寝取る気マンマンなの?」とか「いや、ここで敢えてカップル寝取るって最高やん??」と、己の性癖丸出しで酒飲んでルールも半分わからないような状態でバッチバチの会話しながらやるゲームだと思うんですよ。
Twitterのフォロワーでこれやってる人の話だと
「A3くらいの紙に相関図書きながら書くと楽しい。学園名とか決めるとなおさら楽しいし、体育祭とか文化祭とかやるとなおさら楽しい」
と言ってたので、単に人間関係を構築していくだけのゲームとして楽しむんじゃなくて、人間関係を構築していく中で一体どういうイベントが起きて、どのキャラとの交流が深まってカップルになった。という感じで、人間関係の背景も考えてやってみたいです。
さいごに
このボードゲーム買ったのはいいんですけど、今一番何が足りないかって時間でもなく、場所でもなく、一緒にやってくれる友達なんですよ。
というわけで一緒にやってくれる友達が欲しいです。
ついでにいうと3月末に東京に旅行でもして、百合ガイジ(失礼)とのオフ会でもやろうかと考えているので、もしこの記事を読んだ東京近辺のフォロワーの中でこのゲーム持っている人いたら是非このゲーム持ってきて欲しい。(というか連絡くれるとありがたいです)
いなかったらもって行きますけど、なんせ道中色々見て回る旅の最後に東京を予定してるので荷物になるのが嫌なんですよね(クズ)(実質一人旅だしやる友達がいない)
あ、あと「われこそは百合ガイジだ」と名乗りあげる同士がいたらフォロバするからリプ飛ばしてくださいな。
オシマイ